USUMのルザミーネ

<注意>
この記事はポケットモンスターシリーズ最新作、ウルトラサン・ウルトラムーンのネタバレを含んでいます。
記事としてまったくまとまってないし一個人のぼやきです。ウンこんな考えもあるよね、ウーンわたしはそう思わないなと自由に流してください。


先月の17日に、ウルトラサン・ウルトラムーンが届きました。
当初は「サンムーンみたいに三日あればクリアできるだろう」とたかをくくっていたのですが、これが勘違いだった
ハラに砂をかけられるわヨワシオニシズクモになっているわ、雑コラみたいに現れたガラガラが強いわ、ラランテスは相変わらず強力だわ、かがやきさまが引くぐらい強いわとなかなか手こずって、クリアしたのは約一週間後でした。難易度めっちゃあがってた



そんなこんなでかなり楽しめたUSUMですが、先日発売された攻略本に、あるインタビューがのってました。前作の黒幕、ルザミーネの今作での性格についてです。
彼女は開発から、「サンムーンと本質は変わっていない」「いい人だよ」と明言されました。わたしはこの発言がわりとしっくりきたのですが、多分かなりのプレイヤーが困惑したんじゃないかなとも感じました。

前作、(他のプレイヤーがどうかはわかりませんが)わたしは彼女を幼稚園児みたいだなと思っていました。彼女はかなり自分本意で、他人の意見を聞き入れません。それが息子や娘であってもです。なんでも自分の思い通りになると勘違いしている万能感、ならなければ気がすまないその身勝手さを見て、「幼児性の高い人」=「内面が成長しきれなかった大人」と判断しました。
さらに付け加えるなら、わたしはSM時点で、ルザミーネウツロイドにとりつかれずともリーリエやグラジオを非難するし、必ずポケモンたちを氷付けにすると確信していたので、USUMで例の発言や部屋が披露された時もあまり困惑せずに済みました。わたしからしたらいつものルザミーネだったので。
ですが、さまざまな感想を見ると、多くの人がそうではありませんでした。USUMまで「ルザミーネウツロイドにとりつかれたから家族に冷たくなり、冷凍なんて酷いことをしてしまったのだ」が定説だったので当然の流れだと思います。多くのプレイヤーから困惑されるのは仕方がないと思います。「ストーリーを適当に監修したからルザミーネの部屋が残った」なんて一部で言われちゃってるし。

でもちょっと待ってください

ルザミーネウツロイドにとりつかれた結果あのようなこと(冷凍とか)をやっただなんてSMでは一言も言われていません。言われていたのは今作で強調された、「夫を失ったことによる暴走(グラジオの推測)」のみです。もしかしたらSMの時から、ルザミーネは素面だったのではないでしょうか(わたしは素面だと思ってます)(でもウルトラスペースでは毒受けてそう)。
まぁ、この真偽に関しては判断不可なので今回はスルーします。
わたしがスルーしない、できないのは「ルザミーネの部屋の氷は前作を流用したスタッフの怠慢」とかいう非難です。個人的にこれはありえないと思います。わたしがポケットモンスターシリーズのファンだから援護する訳ではありません。あの部屋こそルザミーネの本質が形になって表れたものだと考えているからです。


わたしはSMで、ルザミーネのある台詞が印象に残りました。
「リーリエ、あなた昔はわたくしの言うことを聞いてかわいかったのに……醜くかわってしまったのは、○○に出会ってからね。○○、にくいトレーナー……!!」
この台詞です。ルザミーネの八つ当たりとしか言えないこの場面ですが、わたしがこの場面が印象に残った理由は、ルザミーネがリーリエの成長をマイナスに捉えたからなんです。ここに来て初めて、わたしはルザミーネというキャラクターがなんとなくわかりました。彼女は周りの成長・変化を嫌っているんです。そしてこれはおそらく、夫がいなくなったことが原因なんだろうと思うのです。ルザミーネにとって子の成長は自分の側を離れると同義になってしまっているんです。
だから冷凍する。自分の側からいなくなる前に。そうすると安心するから。
「子どもは親の言う通りに、それが幸せへの近道です」という効く人にはめっちゃ効く毒々しい台詞は、ルザミーネにとっては免罪符なんです(本人はそんなこと考えてないだろうけどね)。かなり孤独な人だと思いますね。BGMも孤独を表してるらしいし。

で、USUMのルザミーネも基本は↑だと認識して見てみると、ハウの「いい人だよ」という発言の違和感は割となくなる(と思う)。だってルザミーネは家族や周囲に不幸になってほしいわけじゃないし。押し付けてはいるが、幸せを願ってるし。彼女は単に(誰もそんなつもりはないのに)、「わたくしを一人にしないでよ!!」と駄々をこねてるのです。
でもこれ伝わりづらいと思う。ぶっちゃけタイミングが最悪。だってこれを聞くタイミングが「わたくしには息子も娘もいないのよ」+冷凍室+調査隊を騙しての行為のコンボの後ですよ。いい人って言われてもわかんないよ。伝わりにくいよ。鋭い少年として描かれてるハウくんに言わせるだけじゃ「えっ!?いい人!?どこが!!?」ってなるよ。正直に言うとわたしもなったよ無理していい人にしようとしてない?と思ったよ。あのタイミングはきついよ。

愚痴になりそうだから話は戻しますね。
というかわたしが手放しでほめたいUSUMの箇所をあげますね。


そんな孤独なルザミーネに「かわいそうだね」「そのままでいいのよ」をUSUMはやりませんでした。代わりに結構意地の悪いことをしました。USUMはルザミーネの周囲を成長させ、ルザミーネを取り残しました。あのグズマでさえ本編で成長してしまいました。あのグズマが。Sでめざめいし寄越して失踪するグズマがです(この件は許サン案件として語られ続けることでしょう)。
結果、ルザミーネはRR団事件が始まる前に、次のような発言をしています。

わたくしには……子供たちに会わせる顔も……ポケモンたちを保護する資格も……なかったようです。母親でもなければ代表でもない、わたくしはこれからどうすれば……

この台詞はグズマのとある台詞と同じく、一時的にしか聞けません。RR団クリアしたら台詞が変わってしまいます。このように至った理由をもっと詳しくやれとか、この台詞を一時的にしか聞けないのおかしくない?とか言いたいことはたくさんありますが、ルザミーネは自分のあり方を疑問視するようになっています。大きな一歩ですよ。しかもこれは前作のようにリーリエからひとつひとつ言われたからではありません。ルザミーネ自身が考えるようになっています。なるほど、ウルトラ(越える)だなぁ……と思いました。なんでRR団イベ前の台詞にしちゃったかなぁ
ルザミーネ自身が考えなくてはならなくなったと言うのはエーパラハウの名言、「おれを変えるのはおれだよ」に繋がります。SMならともかく、USUMのルザミーネはリーリエやグラジオに言われたからという理由で変わってはいけないのです。リーリエやグラジオ、主人公を見て、自分で考えて、ルザミーネ自身が変わらなくてはいけないのです
だからルザミーネのコレクションルームはRR団クリアまで溶かされません。だってルザミーネは悩んでいるから。ルザミーネの悩みが晴れるのはRR団クリア後だから。悩みの晴れたルザミーネが最初にやったのが、冷凍ポケモンたちの解放だったのです。彼女にはもう、ポケモンたちを閉じ込めておく必要がないのです。変化が美しいものだとわかったから。




とか言いつつやっぱり描写不足なとこあると思う!!ので!!今後の解説とか待ってますよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!素敵な作品をありがとうございました!!!!











USUMしかやってない人はSMもやってね(ボソッ)